VPS用語集

最終更新: 2026-07-30

海外VPSの申込画面に出てくる用語を、誤解しやすいものを中心に解説します。

契約・課金まわり

VPS(Virtual Private Server)

1台の物理サーバーを仮想化して分割し、その一部を専有して使えるサービス。root権限があり、OSやソフトウェアを自由に導入できます。共用レンタルサーバーより自由度が高く、専用サーバーより安価です。

リージョン / ロケーション

サーバーが物理的に設置されている場所。「東京リージョン」なら東京のデータセンターにサーバーがあります。

時間課金 / 月額固定 / 年額前払い

課金方式特徴有利な使い方
時間課金起動していた時間だけ支払う検証、一時利用、リージョン比較
月額固定月単位。途中で消しても1ヶ月分24時間365日の常時稼働
年額前払い1年分を先払い。月換算が最安1年以上確実に使う場合

時間課金の会社(Vultr、Linode、Hetzner、DigitalOcean)には月額の上限が設定されているため、1ヶ月使い続けても月額プラン以上には請求されません。

インスタンス / Droplet / サーバー

作成した仮想サーバー1台のこと。会社によって呼び方が違うだけで、指しているものは同じです。DigitalOceanは「Droplet」、Linodeは「Linode」、Vultrは「Instance」と呼びます。

スナップショット

ある時点のディスク全体を保存したもの。復元すればその時点の状態に戻せます。多くの会社で有料オプションです。別リージョンへの移行にも使えます。

スペックまわり

vCPU(仮想CPU)

割り当てられるCPUのコア数。物理コアを共有するため、同じ「2vCPU」でも会社によって実性能は違います

  • 共有vCPU — 他のユーザーと物理コアを共有。安いが性能にブレがある
  • 専有vCPU — 物理コアを専有。高いが安定する

Contaboのような格安プランは共有度合いが高く、性能が変動しやすい傾向があります。

RAM(メモリ)

同時に処理できるデータの量を決めます。VPS選びで最も重要な数値で、不足すると処理が強制終了(OOM Kill)されます。

用途別の目安は用途別ページにまとめています。

スワップ(Swap)

メモリが足りないときにディスクを仮のメモリとして使う仕組み。速度は数百倍遅いため、緊急避難以上の意味はありません。

ローカルLLMのようにメモリ全体を使い続ける用途では、スワップでは代替できません。

SSD / NVMe SSD / HDD

ストレージの種類。速い順に並べると次のようになります。

種類速度の目安使いどころ
NVMe SSD非常に速いデータベース、ビルド、一般用途
SATA SSD速い一般用途
HDD遅い大容量が必要なバックアップ用途

NVMeを選べるなら選んでおくのが基本です。価格差はわずかで、体感差は大きいです。

転送量 / 帯域(Bandwidth)

月に通信できるデータ量の上限。用語が混同されがちですが、次の2つは別物です。

  • 転送量(Transfer / Traffic) — 月に通信できる総量(例: 20TB)
  • 帯域幅(Bandwidth / Port Speed) — 一度に流せる速度(例: 1Gbps)

超過時の扱いは会社によって違い、従量課金(Vultr、DigitalOcean)、速度制限(RackNerd)、無制限(Contabo東京)などがあります。

ARM64 / x86(AMD64)

CPUのアーキテクチャ。ARM64は電力効率が良く同じ価格でより高性能なことが多いです(HetznerのCAXシリーズなど)。

ただし一部のソフトウェアやDockerイメージがARM64に対応していないことがあります。使う予定のツールが linux/arm64 に対応しているか、契約前に確認してください。

KVM / OpenVZ / LXC

仮想化の方式。

  • KVM — 完全仮想化。カーネルを自由に扱える。これを選ぶべき
  • OpenVZ / LXC — コンテナ型。軽量だが制約が多く、Dockerなどが動かないことがある

現在の主要な会社はほぼKVMですが、極端に安いプランではOpenVZのことがあります。

ネットワークまわり

RTT(Round Trip Time / 往復遅延)

データが往復するのにかかる時間。単位はミリ秒(ms)。体感速度に最も直結する数値です。

当サイトの実測では、東京リージョンが約1.7ms、シンガポールが約68ms、欧州が約230msでした。詳しくは実測データを参照してください。

レイテンシ(Latency)

遅延のこと。RTTとほぼ同じ意味で使われます。「低レイテンシ」=遅延が小さいこと。

ジッタ / ゆらぎ(mdev)

遅延のばらつき。平均RTTが同じでも、ゆらぎが大きい経路は不安定です。

トレードBotのようにタイミングの予測可能性が重要な用途では、平均値よりゆらぎのほうが重要な指標になります。

パケットロス

送ったデータが届かなかった割合。0%が正常です。経路上の混雑や障害を示します。

ただしICMP(pingで使う通信)は優先度を下げて扱うネットワーク機器があるため、pingのロスが必ずしも実際の通信のロスを意味しない点には注意が必要です。

ホップ数

通信が経由するルーターの数。mtrtraceroute で確認できます。

多いこと自体が悪いわけではありませんが、同じ距離でホップ数が大きく違う場合は経路設計の差を示します。当サイトの実測では、大阪リージョンへの経路がVultr 9ホップ、Linode 17ホップと差が出ました。

IPv4 / IPv6

インターネット上の住所。IPv4は枯渇しているため有料化が進んでいます。

ポート

通信の出入り口の番号。よく使うものは次のとおりです。

番号用途
22SSH
80HTTP
443HTTPS
25565Minecraft(Java版)

必要なポート以外は閉じるのが原則です。設定方法はセキュリティガイドにまとめています。

セキュリティまわり

SSH鍵認証

パスワードの代わりに鍵ファイルで認証する方式。パスワード認証より圧倒的に安全で、総当たり攻撃が原理的に成立しなくなります。

  • 公開鍵.pub)— サーバーに登録する。他人に見られてよい
  • 秘密鍵(拡張子なし)— 手元に保管する。絶対に渡さない

ファイアウォール / ufw

通信を許可・拒否する仕組み。ufw はUbuntuなどで使える簡易的な設定ツールです。

VultrやLinodeにはOSの外側にもファイアウォール機能があり、二重にしておくとOS側の設定を壊しても守られます

fail2ban

ログイン失敗を繰り返すIPアドレスを自動的にブロックするツール。鍵認証にしていれば必須ではありませんが、ログの汚染を減らせます。

root

管理者ユーザー。何でもできてしまうため、日常作業では使わないのが原則です。一般ユーザーを作り、必要なときだけ sudo を使ってください。

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